
三つの価格帯
モバイルアプリの価格には、「アプリ」という言葉がいかに幅広いものかが隠れています。2026年時点のトルコでは、三つの価格帯があります。
紹介用アプリ(₺50,000–120,000)。 カタログ、連絡先、簡単なフォーム。ほとんどの事業者には不要です。スマートフォン対応のウェブサイトなら、同じ役割をより安く果たせます。
取引型アプリ(₺120,000–350,000)。 会員登録、注文、決済、通知、管理画面。レストラン、サロン、ECサイト、サービス業が実際に必要とするのはこの価格帯です。
プラットフォーム(₺350,000〜)。 リアルタイムのメッセージ機能、マッチング、地図、多者間のマーケットプレイス。ここでは費用の大半が、画面そのものではなく画面の裏側のシステムから生じます。
まずこの問いに答える
アプリ開発を依頼する前に、はっきりさせておくべき問いが一つあります。ユーザーはなぜ二回目もアプリを開くのか?
答えが「キャンペーンを見るため」なら、アプリは必要ありません。通知機能のあるウェブサイトとWhatsAppのリストで十分です。答えが「もう一度注文するため、予約を確認するため、ポイントを使うため」なら、アプリには意味があります。
一度ダウンロードされ、一度開かれただけのアプリは、作らなかったアプリよりも高くつきます。開発費を払ったうえに、低い評価を抱えたままストアに残り続けるからです。
MVPから始める
正しい進め方は、最初のリリースで一つの機能を完璧にこなすことです。レストランなら「テーブルから注文」、サロンなら「予約」、小売なら「再注文」。それ以外はすべて第二弾まで待ちます。
これには二つの利点があります。一つ目は予算です。MVPは通常、全機能の三分の一ほどで済みます。二つ目は、さらに重要なことに、実際の利用データをもとに次へ進めることです。思い描いていた機能のうち実際にどれが使われるかは、公開してみて初めてわかります。そして、たいてい予想外の結果になります。
隠れたコスト
見積もりには決して載らないのに、必ず発生する費用があります。
ストアのアカウント。 Appleの開発者アカウントは年間$99、Google Playは一度きりの$25です。
サーバー。 アプリの裏側ではAPIが動いています。費用はユーザー数に比例し、最初の数か月は低く、成長とともに上がっていきます。
ストアへの申請。 スクリーンショット、プライバシーポリシー、データ収集に関する申告、年齢制限の設定。Appleは想像以上に頻繁に審査で差し戻し、そのたびに一週間を失います。
保守。 AppleとGoogleは毎年新しいOSをリリースし、古いSDKで作られたアプリには更新を求めます。何年も手を入れずに放置されたアプリは、いずれストアから削除されます。保守は追加の売り込みではなく、アプリが生き残るための条件です。
単一コードベースという選択
AndroidとiOSで別々に開発するということは、同じ仕事を二回するということです。React Nativeのような単一コードベースの手法なら、その費用をおよそ半分に抑えられ、両方のストアに同じ日に公開できます。
例外は、高度なグラフィックス、高度なカメラ処理、端末のハードウェアに深く関わるアプリです。この三つのケースを除けば、中小企業規模のほとんどのプロジェクトで単一コードベースが正しい選択です。
自問してみてください。あなたのアプリは端末の特別な機能を使うのでしょうか、それともデータを表示するだけでしょうか。後者なら、迷う必要はありません。
ウェブか、アプリか?
ほとんどの中小企業にとって、正しい答えはまずウェブです。高速でスマートフォンに対応したサイトなら、ダウンロードという壁なしに誰にでも届きます。一方、アプリはユーザーに「インストールする」という決断を求めます。その決断を引き出すコストは、想像以上に高いものです。
アプリが力を発揮するのは、繰り返し使われる場面です。月に一度しか買わない業種ではアプリは苦戦しますが、週に三回注文する業種なら成功します。顧客が年に何回あなたのアプリを開くかを考えてみてください。答えが六回未満なら、その予算はサイトと通知機能に回しましょう。